消化器内科 Gastroenterology
消化器病学会専門医として、消化器疾患全般の診療が可能です。
潰瘍性大腸炎やクローン病の治療にも対応しております。 お困りの症状や気になる事がございましたら、是非ご相談ください。
消化管(食道・胃・腸)の主な疾患
- 逆流性食道炎
- バレット食道
- 食道癌
- 慢性胃炎
- ヘリコバクター・ピロリ感染症
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃癌
- 機能性ディスペプシア
- 急性胃腸炎
- 十二指腸潰瘍
- 感染性腸炎
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 過敏性腸症候群
- 大腸ポリープ
- 大腸癌
- 腸閉塞
- 消化管出血
肝臓、胆嚢、膵臓の主な疾患
- ウイルス性肝炎(A、B、C型肝炎)
- 脂肪肝
- NASH
- アルコール性肝障害
- 肝硬変
- 自己免疫性肝炎
- 薬物性肝障害
- 原発性胆汁性胆管炎
- 肝細胞癌
- 胆嚢結石
- 胆嚢炎
- 胆嚢癌
- 急性膵炎
- 慢性膵炎
- 膵臓癌
ヘリコバクター・ピロリ菌について
ピロリ菌は胃に感染する細菌で、近年の研究で様々な疾患に関連する事が明らかになっています。
- 慢性胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胃癌
- MALTリンパ腫
- 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
- 機能性ディスペプシア
ピロリ菌は幼少時に周囲の環境(井戸水、土壌、両親や祖父母)から経口感染が成立するとされています。衛生環境の改善してきた現代では、日本人の若年世代での感染率は低下傾向ですが、まだ稀なものではありません。ピロリ菌は感染してからの期間が長くなるほど、胃炎が進行し胃癌の発生リスクが高まると言われています。逆にピロリ菌に感染していなければ、胃癌の発生は極めて稀です。ピロリ菌の検査を受けられた事が無いかたは積極的な検査をお勧めします。
ピロリ菌の主な検査と特徴
迅速ウレアーゼテスト | 胃カメラで胃の組織を採取して行う検査です。1時間以内で結果がでます。感染診断として多く行われていますが、除菌効果判定には使えません。 |
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血清抗体測定 | 感染診断に用いる血液検査です。除菌前後の数値を比較して除菌効果判定として用いる場合もあります。 |
尿中抗体測定 | 感染診断に用いる尿検査です。除菌効果判定としては使用できません。 |
尿素呼気試験 | 呼気中の成分を測定する検査で、除菌効果判定として広く用いられています。検査当日の絶食など準備が必要です。 |
便中抗原測定 | 感染診断、除菌効果判定いずれにも有用です。採便が必要です。 |
ピロリ菌の 除菌について
ピロリ菌が陽性と診断された方は、除菌治療を行うことで胃炎の進行や胃潰瘍・胃癌の発生リスクを下げることができます。また、次の世代(子や孫)への感染リスクを減らすことも期待できます。
除菌治療は3種類の飲み薬(抗生物質2剤+制酸薬1剤)を1週間内服します。除菌薬内服完了後、1か月以上の間をあけて除菌の効果判定を行います。1回目の除菌治療(1次除菌)で90%以上の方が除菌に成功しますが、不成功であったかたは2回目の除菌治療(2次除菌)が受けられ、除菌成功率は95%以上です。
ただし、保険診療で除菌を行うためには、胃カメラ検査を受けていることが条件とされています。ピロリ菌検査で陽性と診断された方は胃カメラ後に除菌治療を受けてください。
ピロリ除菌の注意点
- 除菌に用いる抗生物質のアレルギーが起こることが稀にあります。使用する抗生物質は、1次除菌:アモキシシリン+クラリスロマイシン、2次除菌:アモキシシリン+メトロニダゾールです。抗生物質のアレルギー歴があるかたは、事前に必ずお申し出ください。
- ピロリ菌の除菌に成功すると胃酸の分泌量が増加するとされています。そのため、除菌後に胸やけがする、酸っぱいものが上がってくる等、「逆流性食道炎」の症状が出現する場合があります。これらの症状は制酸薬の内服で対応できる事がほとんどですので、通常は除菌のメリットの方が大きいと考えられますが、気になるかたは事前にご相談ください。
ピロリ菌除菌後
ピロリ菌除菌後に注意すべき事として、「胃癌の発生リスクが大きく低下するが、ゼロにはできない」という点が挙げられます。除菌成功後に何年も胃癌検診を受けないでいたために、後年になって進行胃癌が見つかったという例も経験しています。除菌成功後も定期的な胃癌検診を継続することが大切です。